良いアニメーションを作る上で最低限必要な知識として知られる「アニメーション12の原則」。それらを1つ1つ学んでいく際にまず一番始めに選ばれる課題がバウンシングボールであり、12の原則の内、タイミング、スペーシング、スローイン&スローアウトを学ぶことが出来る(更にスクウォッシュ&ストレッチも入る場合がある)。
私が日本で働いていた時にはアニメーションはどちらかと言うと感覚的な物として扱われており、擬音語や少し曖昧な指示が多かったのを覚えているが、海外ではアニメーションは感覚的な物ではなく12の原則をベースに言語化されており、教育機関でもそれは同じである。
使われるのはただの球で一見簡単に見えるが、バウンシングボールはアニメーションを作る上で「最小の構成」と言ってもよく、バウンシングボールを思い通りにアニメーション出来ない、ボールの重さを適切に表現できないということであれば、よりアニメーションをするのが複雑な人型のキャラクター等を思い通りに動かすことは難しいと私は考えている。
今回はまずMayaのグラフエディターの使い方を解説している動画と記事を紹介した後に、バウンシングボールの解説をしている動画/記事を紹介する。
グラフエディターの使い方
第1回 グラフエディターの使い方 (ANITOON!) – 約17分
http://www.anitoonjapan.com/2013/07/blog-post_27.html (ブログ記事)
アメリカのBlizzard Entertainmentでシネマティック アニメーターとして働くYoheiKoike氏による解説。
「アニメーションエクササイズ集」グラフエディター練習 (Animation OBAKE)
http://animobake.blogspot.com/2016/05/blog-post_30.html
アメリカのゲームスタジオで働くMiyuki Maruyama氏による解説。
グラフエディタだけを使って物体を直線、斜め、円、八の字に移動させるエクササイズ、そして次は移動ではなく回転だけを使って人間の腕を直線、斜め、円、八の字動かすセクササイズを紹介している。
バウンシングボールの解説
アニメーションワークショップ 1週目 “Bouncing Ball” (おおきなアニメーションばたけ)
https://animbatake.blogspot.com/2014/03/animWSwk01.html
カナダのスタジオでアニメーターとして働くKohei Ohata氏のブログ。シンガポールのILMで働いているAtsushi Kojima氏によるアニメーションワークショップを受けた際の内容を細かく紹介している。
実際に作ったバウンシングボール(2種類)の動画とそれに対してのKojima氏のコメント、その後どう修正したかが分かるようになっている。この週の記事では下記の項目を主に説明している。
・自然界にあるような動きにする理由
・アニメーションがうまくなる秘訣
・SpacingとTiming
・ワールドスペースとカメラスペース
第2回バウンスィングボールへの挑戦!(ANITOON!)
http://www.anitoonjapan.com/2013/07/2.html (ブログ記事)
第3回 バウンスィングボール解説 (ANITOON!)
http://www.anitoonjapan.com/2013/07/3.html (ブログ記事)
第4回 スペースィングの意味! (ANITOON!)
http://www.anitoonjapan.com/2013/07/blog-post_30.html (ブログ記事)
第5回 コンタクトフレームの大切さ。(+スクワッシュ&ストレッチ) (ANITOON!)
http://www.anitoonjapan.com/2013/08/blog-post_2.html (ブログ記事)
さいごに
アニメーションの上達に必要不可欠なのはまずバウンシングボールを上手くアニメーション出来るようになること、そしてアニメーションの12の原則をしっかりと理解することであるため、小手先のテクニックを身に付ける前に一度立ち止まり、これらの解説動画/記事を見ながらもう一度チャンレジすると良いかもしれない。
完全な独学では上達のスピードはどうしても落ちてしまう可能性もあるため、作ったものを見てもらうことも大事である。アニメーションに詳しくない人でも良いので周りの人に見せて感想や違和感があるかどうか聞いたり、Twitterでプロのアニメーターの方に直接見て貰うのもありかもしれない。
バウンシングボールの次はどういった課題が良いのか等、また別のまとめを作成する予定である。